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NRSは、兵庫県西宮市越水町にある
スポーツサイクル専門の自転車屋です。
ロードレーサー,トライアスロンバイク,
ツーリングバイク,シティバイクの販売、
修理。
カーボンホイールやカスタムバイクの
ご相談もお気軽にお問い合わせください。

Neutral Racing Service

〒662-0864
兵庫県西宮市越水町1-2
ニューフタバサンモール内
駐車場有
TEL 0798-22-1988
営業時間 10:00~19:00
定休日:水曜日&木曜日
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カーボン
カーボンホイールの破断

ADX240CF ADX240CF_UP

この壊れたホイールは、1998年の美山ロードの雨のダウンヒルでクラッシュの要因となった、某社のADX240CFと言う240グラムのカーボンリムを使用して組み上げたもので
す。
当時、私がホビーレーサーの友人に頼まれて組んだものを後日金を払って譲ってもらったものです。
翌週の広島県森林コースで開催される西日本実業団に勝負をかけ、最後の調整のために出場した美山ロード。
前半いい感じで乗れたので、翌週のレースのためにその周回で降りるつもりでした。
その周回のウエットの下りで学連の集団に追いついてしまいました。

集団とやや距離を取り、パッシングのタイミングを見計らっていると、予想通り勝手に集団内でハスって落車が発生しました。
集団は左コーナーイン側に位置していました。私はアウトサイド後方。
落車の発生した集団から、一人二人とアウト側に流れてきました。

二人目をパスした後、三人目をパスするため、リアステアライドという後輪に荷重をかけるコーナーリングテクニックを使った時、ホイールが崩壊しました。
リアステアライドといっても殆どの選手はピンとこないと思いますが、一定以上のレベルの選手は無意識のうちに使っています。
このテクニックはコーナリングフォースの概念を知っていれば理解できます。
又、別の機会に紹介することにしましょう。
未だに、この状況が発生したコンマ数秒で取った行動は明確に記憶しています。
三人目をパスしきった瞬間、バイクのリアが下がりました。何が起こったのか理解するより早く、ビンディングをリリースしてバイクを放棄しました。
ベクトルの方向は既に左に変わっていたので、腹ばいになって雨の路面を30メートル以上滑りました。
グローブをつけた両手を、「止まれ~!!」と心の中で叫びながら路面に押し付けました。

私の走行ラインをトレースしていたチームメイトは私が放棄したバイクに乗り上げ、ガードレールに激突。
停止した私が取った行動は、チームメイトの救助でした。手を差し出すと血が「ピュ~」っと吹きだして、焦りました。
でも、それはチームメイトではなく、抱き起こそうとして差し出した私の左手からでした。
後続の安全を確保が確認できたので右手で圧迫止血を試みましたが、血圧が上がっていたせいで中々止まりませんでした。
結局、サグワゴンの京都車連の方がバンダナで、止血してくれました。ミッキーマウスの柄だったと記憶しています。
ミッキーマウス、血まみれでした。それを見て苦笑しつつ、チームメイトと病院に直行しました。
病院で、当直の医者が擦過傷を負った脚にいきなりガーゼを当てるので、「ソフラチュールを使ってくださいよ!」と言うと「医療関係者ですか?」と聞かれたので「赤十字の救急救命員です」と返答しました。

診察の結果、擦過傷の他はアバラにヒビが入っていて、翌週のレースは先頭集団で走っていたものの、肋骨の痛みに耐え切れず前半終了後リタイアしました。
チームメイトは骨盤を圧迫骨折していたそうです。
後に、ポラールのクロストレーナーのデータをPCにダウンロードしたデータをグラフで見ました。
心拍、速度、ケイデンスのデータが飛んだ直前に、時速72キロと記録されていました。リアホイールが崩壊し、バイクを放棄した時の速度です。
実際にデータを確認した時には本当に怖くなりました。

落ち着いてから、リムメーカーにEメールで状況と画像を送りました。担当者は驚愕したようです。
「このような状態になるとは・・・」と言っていました。そして、「この状況でアバラにヒビで済んだテクニックが凄い。」という、素直に喜んで良いのかよくわからない返答を貰
いました。

このホイールは、時速60キロを超えると私の当時の体重から考え、危険だということは解っていました。
バイクのセットアップ中、いつもの六甲山ヒルクライムと、最高速テストをやるダウンヒルで感じていたのです。
ちなみに、その区間での最高速はプロスタッフの400g32Hのリムを使用し、ギアが52×14で記録した時速86kmです。
前年のデータから、広島のコースでは時速60km以上出ない事が解っていました。

しかし、美山ロードの学連の落車は想定外でした。
タイミングがズレていたらガードレールの無いコース脇の杉林に突っ込み、木に激突して死んでいたかもしれません。
画像を良く見ると、スポークが捩れるように曲がっており、μの低い雨のダウンヒルの後輪にどれだけ荷重が発生していたか解って頂けると思います。

ウエットで速度が遅くなっているにも関わらず、ダウンヒルではリアホイールにこれだけの荷重が発生するのです。
ドライではもっとホイールへの負担が増加します。
よって、私はホイールの剛性が向上するラージフランジハブを好んで使用しているのです。